日本人と英語

食品技術士リレーシリーズ 食品化学新聞2019年10月31日掲載

佐藤 正忠  技術士(農業&経営工学部門)

 日本人には英語が上手だ、得意という人が多いのか少ないのかはよくわからない。でも東洋民族の人達と比べても英語を喋る人は少ないのではないかと思う。これはなぜだろう?欧米の国々と違い日本は近隣の国と離れた島国であり独立している。島国であるため直接陸地で繋がっている隣国はない。欧米各国のように数時間も走れば隣国という地域ではない。

言葉の問題に関しても英語、フランス語、ドイツ語などはそれぞれ微妙な相違はあってもかなり類似している。したがって欧米の人達はこの3か国語は普通に話し、理解ができる。一方日本語は独立した言語であり、近隣の中国語、韓国語とはかなり異なっているし、英語を話す民族が近くにいない。これらのことが日本人が英語を苦手としている最大の点ではないだろうか。それと日本人がシャイであることも原因のひとつであろう。沈黙は金だとか、食事中にはあまり大口を開いて喋るなとか昔から親に言われて育ってきたことも要因の一つであろうと考える。

一方、学校での英語教育方法も英語は今まではまず読む、書く、聞くから始まり話すは最後である。今はかなり話すことに注目されるようになったらしい。この初期英語教育の改正でどのくらい効果が上がってくるだろうか?10年くらい前に私の孫たちは中国の福建省厦門(アモイ)市、とか遼寧省大連で中国の小中学校で教育を受けていたが、授業は中国語と英語のみであった。日本語は家に入る時のみ使うという状況であった。表面ではアメリカと対抗している中国でも英語の必要性を重要視している。私の感じでも英語を話す中国人の割合は日本人より多いのではないかと思う。ただし中国人の話す英語は独特の訛りやイントネーションがあり慣れないと聞きとり難い点はある。

日本人のシャイ、引っ込み、遠慮がちなことも影響している。海外旅行へ行ってもほとんど同行の日本人としかしゃべらない。それでは海外に行った意味がないのではないかと思う。せっかく外国の人と接するチャンスなのだからもう少し現地の人と喋ったらどうか。勿体ない話と思う。ある程度積極性を持ち、ずーずーしさも必要である。むしろ厚かましいと思われるくらいでもよいのではないだろうか。話すのは買い物の値段を値切る時くらいである。

ツアーなどでホテルの部屋に入ってからも、なにか自分のの部屋に不具合があった場合でもすぐ添乗員に依頼する。これでは添乗員はいくつ身体があっても足りない。さらに添乗員としての仕事の時間にも影響してくる。

私の場合は部屋に入って不具合な個所を発見したら自分でホテルフロントに修理や不足品を持参してもらう、下手な英語でも構わない。TVやエアコンがうまく作動できない、風呂や洗面台の湯加減がうまく調節できない、などである。下手な英語でも仕方ないが、まずはこちらの要望が相手に通じたら良いのだから。

私と同年以上の方で、まさに戦中時代にちょうど高校か中学上級程度の学年におられた方はよく英語は敵性言語であるとのことで、十分教育が受けられなかった。だから今も英語が嫌い、離せないという方は多い。そんなことはないと思う。戦後になってからでも英語を勉強するチャンスはいくらでもあったはずである。おかしな言い訳で英語の勉強を自ら拒否する原因にしているだけである。アメリカなどは戦時中でも日本語教育を行い戦後の時代に備えたと聞くがまさに考え方は正反対であろう。勉強するチャンスなんて幾らでもいつでもあろう。自分でそのチャンスを利用するかしないかだけである。まさに「後悔先に立たず」「後悔臍を咬む」といった諺とおりである。でも語学勉強はいつになっても努力さえすればいつでもできると私は思っている。多少文法的にはおかしくても喋れば何とか相手の通じるので黙っていては100%相手にはわからない。

 かくいう私も英検2級に合格したのも、TOIFLを受験したのも会社に張ってからでかなり熟年時代である。当時は競って資格試験に受験したものである。それも昼飯化何かを賭けて臨んだのである。

ある調査では、人間の脳は壮年期以降も成長するし、語彙力は60,70才になってもあるという。頑張れば今からでも決して遅くはない話である。いわばやる気の問題である。食品とは関係ない内容ですが、技術士資格も能力で英語検定の級とかTOEICの取得点数などがあればJICAやJETROで海外指導に行く際にも扱いが違ってくるのである。 

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