官能評価と機器分析を用いたにおいや味の評価、数値化

食品技術士センター 講演記録 2018年8月18日

吉田 浩一 氏 アルファ・モス・ジャパン株式会社
ゼネラルマネージャー

 会社に入り、アルファ・モス社(フランス)の分析機器を取り扱うという仕事を担当した。この機器だけではヒトの感覚を表現できないため、官能評価に入っていった。
 今、アルファ・モス社の分析機器は3つある。ひとつはフラッシュGCノーズ“HERACLES”で、高速(3分)で香気成分を分析する装置である。基本はGC-MSであるが、それと大きく異なるのは、成分分析(成分含量や同定)が目的ではなく、香気成分を分離した結果から、においをパターン化することで、類似食品とのにおいの違いを明らかにするということである。

 2つ目は電子嗅覚システム“ASTREE”で、こちらは7本のセンターで味をパターン化するものである。3つ目は、ビジュアルアナライザー“IRIS”で、食品の表面画像を取得して、色や形、大きさなどの外観をパターン化するものである。何れも成分分析ではなく、

ヒトの感覚にそって評価できる機器である。しかし、これでヒトが感じたにおいや味を定量できたことにはならず、官能評価と結びつける必要がある。

 官能評価には、分析型官能評価と嗜好型官能評価がある。分析型官能評価は会社が自社製品をアピールするために持ちられがちであるが、QDA (Quantitative Descriptive Analysis)法を用いることで、しっかりとしたデータにできる。そこに前述の機器分析データと組み合わせてプロダクトマップを作る。一方、嗜好型官能評価で消費者の好みを評価し、そのデータからクラスター分析を行うことで、消費者の嗜好をパターン化する。
 そして、この2つのデータからプリファレンスマッピングを行い、どんな消費者がどんな商品を好むかなど、ヒトが感じたにおいや味が定量化できる。
 分析型官能評価では、口中での味や香りの感じ方の時間的変化を評価するTDS(Temporal Dominance of Sensations)法なども使われるようになってきた。
 最近、味覚センサーなどの機器分析のデータのみで、食品の二次機能を評価するような傾向があるが、それは間違いで、官能評価が優先手段で、機器分析はそれを補完する役割でなければばらない。そうすることで、商品開発、マーケティング、品質管理などに利用できるデータとなる。