台湾の食品事情あれこれ!!

食品化学新聞2016年12月8日掲載

  鈴木修武 技術士(農業部門) 鈴木修武技術士事務所

 台湾へは約5年前観光で訪問してからすっかり虜になった。親日で道を尋ねると目的地まで行ってくれる。聞くと日本で仕事した人や日系企業で働いた人昔、日本の教育を受けた人などさまざまである。そんな台湾に昨年11月と今年3月に食品事情を調査で訪問した。

① 台湾のちょっとした概要
 面積は約3.6万平方キロ(九州くらい)、人口は約2300万、GDP約5235億ドル(IMF2015年)以前で行ったタイの2割多い。交通網は鉄道、地下鉄があるがタクシー、バイクでほぼ日本製で、乗用車も多かった。バイクは店の前に所狭と駐車され主な通勤手段である。日本と同様に地震が多く台風も上陸する。台北の地下鉄は新しく日本より整備されていると思われた。新幹線は700系が使われており、日本と変わらない快適さである。鉄道料金は53円(台湾元約3.5円換算以下同様)/区、地下鉄64円/区、バス36円/区共通バスカードが有り便利。老人にやさしく学生若者はすぐ席を譲ってくれ、公共施設・公園は敬老料金であった。シャープを買収したホンハイ精密工業の本社のある新竹の新幹線駅は、20~30階建物が約30棟あり、勢いを感じた。現地サラリーマンの給料は40歳代で約20万円である。給料はここ20年下降気味で、日本の事情と同じ。上層の経営者と市民とは格差が広がっている。食品の物価は台湾が日本の台北7割、地方は5~6割程度である。日本の平均年金があれば充分暮らせると、以前川崎に住んでいた現地のおばさんが話していた。秋や春でも気温は20~25度以上で寒がり人には過ごしやすい気候である。

700系高鐵(日本新幹線)

ホンハイ精密工業(新竹周辺)

有名な観光地・日月譚

田舎街の食堂・豚、牛うどん

 

 

 

 

 

② 台湾の市販食用油やスーパー、コンビニの値段はどうか。
 台北の油を調査したが、2~7ℓといった大きな汎用性油は2~3割程度安かった。健康油や健康調合油、亜麻仁油は若干高く、N社の健康油1割高い、A社のもあり、種類は日本と変わらない。業務用斗缶が街の飲食店の外にあり写真を撮った。有名ブランドの油が粗悪油を混ぜた話題もあった。魚は種類が少なく同等か、肉類は安かった。果物類、野菜類は南国らしい種類が多く、安いが品質が悪かった。どの都市にも日本でなじみのS、F社のコンビニが多く、調理パンは80~100円/個若干安く、ペット水50~70円/本ありよく利用した。

無名な街中食堂・小皿販売

烏龍茶産地 石棹(せきてい)

猫空のロープと真上台北101ビル

街中の廃棄斗缶

 

 

 

 

 

 

③ 外食産業の実態はどうか
ガイドブックにある有名店は価格が高い割に口に合わなかったが、何げなく入ったお店は大方美味しかった。チェーン展開がない、地域ごとの自営業が多く品質のバラツキがあったが魅力的であった。台湾中部の日月譚近くの水里駅麺店で豚と牛肉の焼きうどんを食べたが、牛肉が古く生臭かった。有名な台北・永康街の路地を入った東門餃子店の焼き餃子は、皮が厚く違和感をあったが食べていくと小麦粉の味が出て具と混ざり合って餃子がこんなに美味しいと絶句、三度も訪れたほどである。台東では食堂が見当たらなかったので、新しい商業ビルで日式(日本式)レストランの肉丼(640円)を食べたが、予想外においしかった。台南では疲れていたので駅前の回転寿司に入ったら意外に、賑わっており、マグロ、海老、イカ等食べたて約800円でお腹一杯になった。現地の果物・野菜ジュースの屋台があったが、衛生面で飲む気にならなかった。

町市場の肉屋

町市場の肉屋

十分駅 天燈(ランタン)

内湾線 内湾の元映画館 食堂

内湾の元映画館食堂の客家料理

 

 

 

 

 

④ 台湾の農業・食品産業の生き残りはどうするか
 台湾の農業は耕作放棄地が日本と同じように目立ち心配である。ドラゴンフルーツの畑が至る処にあるが、バナナとパイナップルがあまり見えなかった。ホテルで提供された果物類は種類上記以外にオレンジ、リンゴ、キウイ、トマ ト、メロンなど豊富であるが、品質は悪かった。台湾の食品産業は、動物飼料、粉製品、麺製品で、日本への輸出は冷凍マグロ・エダマメ、バナナ、マンゴーなどの熱帯産果実、ランなどの花卉、高級烏龍茶である。JETROによれば、台湾向け(平成24年)約610億円で食品ではソース混合調味料約35億、りんご約27億、アルコール飲料約23億、清涼飲料水等14億、北海道の職員から聞いた長芋等14億と意外な品目であった。烏龍茶は台湾全土で売られており九份で味わったが入れ方が複雑で味もなじめなかった。阿里山の中間点の石棹(烏龍茶標高1500m)、山全体が茶畑、近くの販売所で試飲したら、1㎏1000円でもおいしく購入した。ビンロウ(紙タバコ様植物)が至る処に植えてあるのが目につき中間産地の農作物か。台湾は日本の農業と同じ所得格差、後継者難、高齢化など問題がある。日本では大規模経営もあるが、「小さな農業(いわゆる小農)で多品種栽培・農産加工・販売」で近郊市民と交流しながら復活しようとしていた。参考になろうか。皆様どのように思われますか。

日式レストランの牛丼

台北有名な四川料理とセブン

ビンロウの林

集荷場(奥に多くの作業人達)

デパートのカット野菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食品化学新聞より許可を得て掲載しております