「機能性表示食品制度の現状と事後チェック制度を踏まえたシステマティックレビュー作成の要点」

食品技術士センター例会・講演会(2020年7月18日)

竹田 竜嗣 氏 関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科 講師

(1)機能性表示食品とは:

 機能性表示ができる食品は保健機能食品と位置付けられ、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、そして機能性表示食品に分類される。国の許可を受けるのに1~2億円の費用が掛かるとされる特定保健用食品(トクホ)に比べ、機能性表示食品制度は比較的低価格で届出ができる制度であるが、商品の機能性や安全性については企業がその責任を持つことになる。

機能性表示食品とは、①疾病に罹患していない者(未成年、妊産婦および授乳婦を除く)を対象としていること、②機能性関与成分によって健康の維持および増進を目的とする保健の目的が期待できる旨を科学的根拠に基づき容器包装に表示している食品、③一定の科学的根拠に基づき、企業などの責任において特定の保健の目的が期待できる旨の表示を記載できる制度、④サプリメント形状の加工食品、サプリメント形状以外の加工食品、生鮮食品が対象、が特徴である。機能性表示食品のメリットとして、
① 開発費用が大幅に削減される
② 中小企業・小規模事業者にも対応できる
③ 生鮮食品も届出可能である
などが挙げられ、トクホにない機能性についても科学的根拠があれば認められている。

(2)科学的根拠

 消費者庁に届出を行う際に留意する点として機能性関与成分の科学的根拠がある。定性において届出後の品質管理手法でも指摘があるほど、証明が難しいものもある。また、定量については第3者が分析できることが前提となっており、自社分析のみではほぼ受け入れられず、日本食品分析センターをはじめとする登録検査機関などへの分析法の移行が求められる。
 消費者庁の差戻し理由から判断すると、機能性関与成分量の分析において前処理や分析法による誤差で真の量より減少する場合は、下限保証のための製造時の増し仕込みで補うことが求められる。(図1)

図1 機能性関与成分量の保証に関する考え方

(3)システマティックレビューを用いた届出の実施方法

 機能性表示食品の届出を行う際には、臨床試験の結果で機能性関与成分の科学的根拠を証明する方法も選択できるが、8割強がシステマティックレビューによる届出である。今回は、そのシステマティックレビューを作成する上での留意点を届出ガイドラインに沿って解説をしていただいた。ガイドラインには記載はないが、消費者庁の差戻しの理由などの状況から、より受理されやすい、望ましい記載方法なども紹介していただいた。

 機能性表示食品の届出に関する消費者庁の受理は年々増加しているが、現在においても1回の届出で受理されることはほとんどない。初回届出の不備事項指摘まで約60日を要し、その後さらに不備事項が指摘されるまでに60日単位で日数がかかる。4回以上も差戻しをもらってようやく受理されるという例も少なくない。

(4)今後の方向性

 今後、機能性表示食品は拡大することが予想される。最新のトピックスとして、尿酸、排尿関連のエビデンス、免疫に関するエビデンスなどが受理され始めた。一方、制度運営はますます厳格化や細部をより細かく決める形となっていくことが見込まれ、届出者は事後チェック制度などの制度変更に対して、変更点の熟知と確実な科学的根拠を持つことが求められる。

(文責:食品技術士センター)